膝関節・・知っていますよね。
当たり前ですが、下肢の関節です。
下肢の介在関節として大腿と下腿を連結してくれています。
鍼灸院には膝の痛みを訴える患者さんが多く来院しますね。
鍼灸治療で、膝周辺に鍼やお灸やっていますか?
残念ながらそれだと完治に時間が掛かり過ぎますよ。
鍼灸で治療するには膝関節は股関節に比べてより不利な状況下で働いていると理解する
膝関節においては、歩行時、労作時、スポーツの時など、下肢の完璧な安定性を要求されて、それを保障しないといけない。
膝関節はもともとが不安定な関節です。
関節表面の形態は大腿骨表面は凸状で、脛骨上関節面や膝蓋骨の後面はほとんど扁平です。
通常、関節だと、ボールとソケットの関係で「カポッ」とハマっているとベストですよね。
しかし、「カポッ」とハマっていないので、クッション(半月板)を利用しています。
膝関節はかなり表在性の関節です。
股関節や肩関節は厚い関節包壁によって包まれています。
膝関節周辺の筋は、関節隣接部で直ちに終末腱へと移行しています。
膝関節は、筋肉の付着部が関連運動の中心軸に近いため、股関節に比べると、運動の力学的効率と安定性がめちゃくちゃ劣っています。
そのために、膝は強力な筋と、強い張力に耐える靭帯によって安定性を補完しています。
膝治療の基本:膝の関節運動は屈曲と進展だけと思っていませんか?
膝の関節は曲げると伸ばすだけではありません。
膝の機能的本質からみると、常に軸の回旋運動を伴います。
この膝の回旋運動を理解することは鍼灸治療の臨床でめちゃくちゃ重要です。
軸回旋を体感したいなら、患者モデルにうつ伏せになってもらって膝を90度屈曲します。
施術者はそのまま内旋、外旋と膝を回旋します。
異常がなければ捻れる感覚がわかるはずです。
一般に水平面での回旋は膝関節屈曲角度の増加とともに増加します。
- 90度屈曲した膝関節では40~50程度の回旋ができます
- 外旋と内旋の可動域比率は2:1です
鍼灸治療の臨床では膝関節に鍼や灸をしない
わたしは鍼灸治療で、膝の痛みを訴える患者さんに患部を使う事はほとんどありません。
股関節の内旋、外旋の異常により膝関節に異常が起こり、痛みや変形が出ていると考えています。
多くの場合、患側の股関節で外旋が出来なくなっています。
患者さんに仰向けで合蹠(がっせき)してもらうと、患側は膝が倒れません。※あぐらを組めない状態です。
まずは、外旋できない≒内旋に関与する筋肉の異常と考えください。
中殿筋の前部線維疑わしいですよ。
そこそこ内外旋の異常が解消されたら、アライメント(建て付け)を良くしていきます。
運動療法です。
膝関節を90度位屈曲させて、患側が内旋しているならゆっくり膝関節を内旋しながら進展させていきます。
その時に痛みがでるなら、股関節の処置を再度施すか、圧通点に切皮程度に鍼をして鎮痛を効かせながら運動療法をしていきます。
患側が外旋しているなら、ゆっくり外旋しながら進展させていきます。
場合によっては、三陰交や太谿に鍼をしながら運動療法を施す事もします。
教科書的には軟骨がすり減って云々になると思いますが、なぜすり減ったのか?
それが書いていません。
わたしはねじったタオル理論で考えています。
鍼灸治療の臨床で、膝治療の説明で使用する「ねじったタオル理論」
患者さん説明にも使えます。
捻れたタオルは曲げ難いですよね?
股関節の強靭な筋肉が内外旋の異常を作り出しています。
このねじれが、「ねじれたタオル」になります。
捻れた状態で膝を曲げ伸ばししているので、筋肉への負担が増えてしまいます。
荷重もかかれば軟骨や半月板も損傷していくでしょう。
鍼灸治療で梁丘や血海、内膝眼、外膝眼などヒザ痛に関連するツボを利用するのがセオリーになっています。
鎮痛は効くのでそこそこ有効かもしれませんが、解剖学の知識がある人達、柔道整復師の先生や、理学療法士の先生が見たら「ダサい」治療になっていますよ。
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