背部痛はアナトミー・トレインの浅前線浅後線の関係を考えて、鍼灸治療に活かす

浅前線浅後線

人の身体は陰と陽に分類されます。
筋肉を陰と陽で分けるなら屈曲と伸展でしょうか。

アナトミー・トレインには、浅前線と浅後線というのがあります。

浅後線と浅後線の関係を屈曲と伸展でみていきます。

浅前線浅後線

アナトミー・トレインの浅前線と浅後線は弓のような関係

浅前線

浅前線

 

浅後線

アナトミー・トレイン浅後線

東洋医学的にいうと足陽明経筋と足太陽経筋が似ています。

足陽明経筋

足陽明経筋

足太陽経筋

足太陽経筋

アナトミー・トレインとは筋肉の連結を線路に例えています。

しかし、浅前線では、その構成部分である下腿の前区画、大腿四頭筋、腹直筋、そして胸鎖乳突筋が別個に機能している事になっています。

そして、ある条件が整うと作用する事になっています。

 

軍人の直立姿勢、一般の人でも猫背を少しでも良い姿勢に見かけ上やってしまうと、軍人の直立姿勢になっています。

 

このような姿勢にしてしまうと、浅後線またはその一部が弦のように「短縮固定」されています。

そして同時に、浅前線またはその一部が「伸張固定」されています。

イメージでいうと弓のようになります。

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浅前線と浅後線

身体は屈筋側へ優位に働きます

鍼灸治療の臨床でも曲げる側に短縮している人が多いです。

老人のように、はたまた犬やネコのように丸まる姿勢になります。

 

アナトミー・トレインの浅前線で考えてみましょう。

腹直筋が胸郭を引き下げて、肋骨を圧迫して呼吸を妨げる。

胸骨筋と胸骨を介して胸鎖乳突筋に伝えられ、胸鎖乳突筋が頭部を引き下げる。

 

いわゆる、猫背です。

こうなると、浅後線に余分な負担がかかりますよね。

浅後線は背部の伸展を支えるのに加えて、浅前線が引き下げようとする力に対抗しなければいけません。

結果、浅後線の筋の過緊張状態と、浅後線に沿って筋膜の過剰線維化と固着が起こります。

鍼灸治療で背部痛を改善するために

鍼灸院に来院される患者さんは、背中が痛い、腰が痛い、頚の後ろが痛い。
そんな訴えをしてくる方が多いですね。

 

先生ならどう鍼灸治療していますか?

 

そのまま背中のツボや阿是穴に鍼をしていますか?
間違ってはいないです。

 

さて、アナトミー・トレインの浅前線と浅後線の関係で考えてみましょう。

 

背部側の過緊張状態は、胸部や腹部の浅前線の短縮が原因になる場合がとても多いです。

 

浅後線だけを治療すると一時的には良くなります。
しかし、根本的な改善にはなりません。

 

部位別で鍼灸治療をされている先生は、必ず患者さんに浅前線と浅後線、または足太陽経筋、足陽明胃経の関係を説明しないといけません。

 

そうしないと、「あそこで鍼灸をすると施術後は良いが、すぐ元に戻る」とウワサされるかもしれません。

 

しっかり説明しないと、押しの強い患者さんに

「先生背中のツボ、とても気持ち良いです。もっと深くまでやって!!」

 

言われた通りやって、肺気胸という医療事故を起こしかねません。

 

身体が前かがみになってくるのはアナトミー・トレインの浅前線だけでは説明が付かないです。
体幹と呼ばれる大腰筋などの異常も必ず関係してきます。

 

わたしは背部側の痛みを訴える患者さんに、そのまま背部側のツボを取穴する事は基本的にしません。

大椎穴を取穴したら背部は筋肉の走行を意識しながら軽擦するだけです。

過去ブログ

大椎というツボの効果、鍼灸の目的は陰陽の調整、大椎穴だけでOK
今回は私が良く使う大椎というツボを紹介します。以前ブログでご案内した記事時間短縮と治療家の迷いを解消するために最低必要な14個のツボでも紹介したツボです。大椎のすごいところは、とにかく守備範囲が広い!学校ではほとんど教えない。そのため臨床で...



その後、全身の状態を整えるために陽陵泉穴を使用。
大腰筋の異常の有無は必ず確認して処置をしていきます。

身体の捻じれや、脚長差なども関係してきます。

臨床力を上げるなら患部は最後に処置していきましょう。


 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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