古典を読んでいた方がいいですか?
こういう質問をいただきました。
結構受ける質問の1つだと思っています。
結論から言うと
古典は読まなくてOK、だけど読んだ方が良い、読めた方が良い。
学生時代、素問霊枢などの古典を読めないと、立派な鍼灸師にはなれないという風潮がありました。
古典をそのまま白文のまま読める鍼灸師は「デキる」という錯覚。
教養として読める方がいいです。
古典は教養ですが、臨床経験は実践でしか磨けません
- 元々古文や漢文が得意だった鍼灸師1年目の先生
- アメリカで鍼灸の臨床を10年以上やっているアメリカ人鍼灸師
どちらの先生に施術を受けたいと思いますか?
古典の勉強をする暇があれば、お灸の練習をしたり、臨床で必要な筋肉を覚える方がよっぽど良いです。
古典も勉強していきたい人は、まずは東洋医学概論の教科書に出ている古典からの出典だけでいいです。
ご存知のとおり、鍼灸には星の数ほど流派が存在しています。
そして、教科書執筆小委員会の会員も、色々な流派に所属しているでしょう。
そういう流派違いの人が「これは同意できる」と思った古典が記載されているはずです。
そこから覚えていけば、矛盾が少ない古典を学んでいけるでしょう。
古典を臨床で活かすためには、患者さんへの説明がしっかりできて完成です。
患者さんからの質問にしっかり答えられないとダメです。
患者さん:「どうして、ここに鍼をするのですか?」
鍼灸師:「古典に書いているんですよ。」
患者さん:「??」
ちゃんとソースの出どころを伝えるのは当然です。
古典や東洋医学の場合、理解してもらうのが大変です。
古典で説明するのが大変なので、私は出来る限り解剖学や自然現象(物理)に置き換えて説明します。
説明しきれない古典や東洋医学的なモノは、iPadを利用したり、紙にまとめて後日ご案内します。
そこまでやって、信頼関係が構築できると思っています。
経穴について
私はネパールで鍼灸をした経験があります。
ネパールでは、経穴を全て番号で表示しています。
経穴名には意味があります。
例えば、手の太陰肺経の列缺
「列」は古代、裂と相通じていて、分解・分行するという意味に用いられた。
「缺」は器の裂け目の意味。
列缺は撓骨茎状突起の裂け目の位置を表し、手太陰肺経の絡穴で、経脈がここから別行するので列缺という名前になっています。
漢字がわかれば、このツボはここから別れる流れを持っているんだな。絡穴だな。と理解できます。
LU07だけだと、肺の7番目のツボとしか理解できません。
番号で勉強している人は、プラスアルファの知識をインプットする必要があります。
経絡経穴の教科書には、経穴の名前の由来まで出ていませんよね?
- 経穴名
- 取穴部位
- 筋肉
- 運動神経
- 知覚神経
- 血管
- 要穴
だったら、番号でも良いかと思っています。
しっかり教科書にも経穴名の由来を記載してほしいですね。
経絡経穴の授業でも、
- 漢字の書き取り
- 取穴をしながら筋肉や神経を暗唱する。
これくらいでしょう。
もったいないですね。
さらに教科書の取穴はカーナビと同じです。
カーナビ:「目的地周辺デス。案内ヲ終了シマス」
ドライバー:「うそっ!まだ到着してへんやん!」
活きたツボを見つけるために、最後は感覚になります。
たくさんのツボを利用するより、厳選されたツボを徹底的に使いこんでいく方が、よっぽと臨床力が高まります。
https://www.prohari.com/post-99/
国家試験があるので無理なんでしょうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ご質問もおまちしています。