ぎっくり腰の鍼灸治療、主に椎間関節性腰痛の治療

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痛の種類は色々ありますよね。

今回はぎっくり腰、主に椎間関節性腰痛にしぼって鑑別診断や治療法についてお伝えします。

椎間関節性腰痛

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ぎっくり腰に分類される椎間関節性腰痛

ぎっくり腰の原因が椎間関節部に存在するものを総称して椎間関節性腰痛と呼びます。

急性期は椎間関節の捻挫による激痛が多く、ぎっくり腰で最も多い症状になります。

慢性的になると加齢による腰椎などの変形がベースにあり、椎間関節症となります。

ぎっくり腰の椎間関節性腰痛は片側だけの痛みだったり、両側とも痛む場合があります。
腰仙部に痛みを訴える場合も多く、しばしば臀部に関連痛が生じる場合があります。

ぎっくり腰の椎間関節性腰痛の大部分は腰椎4,5番の椎間関節部や、腰椎5番-仙骨椎間関節部に圧痛が出ることで、他の病態との鑑別できます。

椎間関節部の圧痛

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ぎっくり腰の椎間関節性腰痛の症状・部位を問診する

問診や診断で、まず下肢に症状のないことを確認しましょう。

次は患者さんから

  • 痛みの状態(しびれor痛み)
  • 重苦しい、キリキリ、ジンジン、ズキズキの性状
  • 痛みの強さ、激しい、ちょっと辛い、少し痛い

患者さんの表現で書いていきましょう。

部位は患者さん自身に痛みの発現部位を示してもらいます。
カルテに人物図があるなら書き込んでもらった方が良いでしょう。

時間短縮になります。

わたしも使っているサイトです。

無料で利用できますよ。

痛みを感じている箇所を指摘してくれる場合と、関連痛の場合もあります。

関連痛

ぎっくり腰の椎間関節性腰痛の場合、痛みの箇所は腰仙部に多く、圧痛が下部腰椎に出てくる場合も椎間関節性腰痛の可能性が高まります。

椎間関節性腰痛の疼痛域

その他で、腰仙部に痛みを訴えるもので、仙腸関節障害があります。

ニュートンテストで陽性反応が表れます。

ニュートンテスト

  • 腹臥位にして、仙骨部を手掌で圧迫します。
  • 最初は少し力を抜いて瞬間的に圧迫します。
  • 痛みがなければ強い力でおこないます。

仙腸関節障害と一言で言っても、

捻挫、亜脱臼、変形性関節症、その他に妊婦に多い仙腸関節弛緩症が含まれます。

余談ですが、わたしは通常の施術はうつ伏せからおこないますが、筋力の無い女性の方は、仙骨部を押しこむと「ゴグっ」という音とともにハマります。

こういう患者さんは筋力が無く、バランスをキープするのが難しくなります。

痛みが臀部だけに限局していると臀部の筋・筋膜性腰痛の可能性もあります。

腰椎4,5番の椎間関節部や、腰椎5番-仙骨椎間関節部の圧痛やその周辺の訴えを確認して鑑別しましょう。

高齢の患者さんの場合、圧迫骨折の可能性もあります

圧迫骨折の好発部位は胸椎12番、腰椎1番です。

骨折部位だけでなく、腰部臀部に痛みを訴える人もいるので、叩打痛を確認しておきましょう。

叩打痛の確認方法

  • 腰椎だけでなく胸椎8番くらいから叩打していきます。
  • 最初は弱い力からはじめて徐々に強い力で叩打します。
  • 腹臥位でできれば良いですが、急性期にうつ伏せはとても辛いので、座位でも構いません。

叩打痛を訴える場合は医師の診断が必要です。
事情を説明して帰した方が良いです。

安静時痛の有無

「じっとしていても痛い」だけでは鑑別できませんよ。

だれでも長時間の同一姿勢は疲れます。
ましてや腰痛患者さんは痛みを訴えます。

安静時痛は1番楽な姿勢になっていても痛みが変わらない場合です。

基本的にぎっくり腰は関係ありませんが、慢性的な腰痛の患者さんには注意が必要です。

腫瘍だったり、内臓性の痛みの可能性があります。

夜間痛も安静時痛とほとんど同じです。

仰向けで痛む場合、横向きだと楽だったり、座っている方が楽な場合、夜間痛ではありません。

朝起きると腰が痛い患者さんの場合

寝具の影響だったり、腰椎や鼠径部周辺の循環障害で痛みが出る場合があります。
こういう患者さんはしばらく動いていれば痛みが消失します。

ぎっくり腰の椎間関節性腰痛の検査法

検査方法は何度かお伝えしている3つの動きを中心に診ていきます。

  • 左右の側屈
  • 左右の回旋
  • 前後の傾き

過去ブログ

鍼灸治療の共通言語を増やす。シンプルに身体を3つに分類しよう

痛みが激しい人ほど、検査ができません。

しかし、疼痛回避姿勢になっているので、目視でバランスが確認できます。

腰部での検査ができない場合は、頚部で診ていただいても同じになります。

患者さんのバランスを自分自身で再現してみましょう

「このバランスならココが痛くなるな」
そういう身体感覚を磨く必要があります。

イチロー選手はこの身体感覚がめちゃくちゃすぐれています。

過去ブログ

イチロー・稲葉さんの対談。イチローの脅威の身体能力は心と体のバランスにあった

腰椎のカーブも診ておきましょう

可能であれば立位で患者さんの腰椎のカーブを確認しましょう。

腰椎は当たり前ですが、前弯しています。
加齢にともない前弯が減少していたり、後弯している患者さんがいます。

逆に前弯が増強している患者さんもいます。痛みを軽減するために前弯増強している場合もあります。

起立筋の緊張も確認しておきます。

腰椎の変形(階段変形など)があれば、症状改善には時間がかかる旨を患者さんにお伝えできます。

ぎっくり腰の椎間関節性腰痛の施術

必要な情報が入手できればいよいよ施術です。

当然ですが、急性期の場合、患者さんは一分一秒でも楽になりたいです。

必要だけど、「今は不要な問診」などで時間をかけないようにしましょう。

例えば女性患者さんに対して、月経の状態を伺う事です。

鍼灸師からしたら「気・血・津液」の状態を聞くことは重要な事だと理解していますよね。

患者さんにとっては、月経とぎっくり腰(椎間関節性腰痛)の関係性はわかりません。

最悪の場合、セクハラと訴えられるかもしれません。

主に急性期に関しては、仰向けでの施術からスタートしてください。

無理にうつ伏せにすると急性期は本当につらいです。

患者さんは仰向けになるだけで大変苦労します。

仰向けになってもらったら、痛みを誘発させて、どのようにすると痛みが出るかを慎重に確認して、患者さんとの共通理解を深めます。

後で治療効果の測定になります。

わたしの場合、太谿穴を取穴します。

  • 下腹部の圧痛が強い側を取穴します。
  • 足少陰腎経を補うことで陰陽のバランスを取る
  • 腰椎につながる大腰筋の異常を整える

足少陰経筋図

下腹部の圧痛が改善し辛い場合、大腰筋の異常を直接手技も利用して改善していきます。

大腰筋

膝を曲げて大腰筋を緩ませた姿勢で触っていきましょう。

大腰筋触り方イメージ

大腰筋触り方イメージ

ここで一度、痛みの誘発テストをして変化の有無を確認します。

学校で習った施術だと、うつ伏せで置鍼。仰向けで置鍼。

施術終了後にやっと痛みの確認をするので、取穴や刺激量の違いによる変化がわかりません。

脈診で変化を確認する先生もいるでしょう。

だけど、患者さんはわかりません。

効果があれば良いですが、脈は変わっていても患者さんが実感しない場合、施術後気まずい雰囲気になるでしょう。

患者さん:「先生1mmも腰の痛みが変わりません。」

施術者:「・・・」

痛みに変化があれば座位で施術、なければ陽陵泉を使用します

陽陵泉は側屈で倒れている側を取穴します。

脈の変化が診られる先生はこまめに脈をみましょう。

硬さ=痛み=弦脈が落ち着いてくるのを目安にできます。

弦脈イメージ

弦脈イメージ

取穴する足を曲げて刺鍼します。

そして、そのまま腰を左右にねじるように動かします。

学校でのやり方とかなり違うのでよく驚かれますが、左右に揺さぶると脊柱の緊張も取れてくるので頚部痛でも利用します。

最後は座位で鎮痛をかけていきます

患者さんに座ってもらって痛みの確認をしてもらいます。

腰周辺の痛みが残っている箇所に運動鍼をしていきます。

運動鍼

痛みのある箇所に刺鍼して患部を動かしてもらう。

痛みの程度が落ち着いていたら、立ち方や動き方の指導をします。

痛みが残っていれば皮内鍼や円皮鍼を患部に使います。

次回予約の取り方

治療中から予後の状態を説明しているので簡単です。

早めに来てください。

これはダメです。

まだ○○に痛みが残っているので○日後来院してください。

と、しっかり伝えましょう。

最後に

活字にすると表現が難しく、上手く伝わらないかもしれません。

ポイントは何が原因で「痛み」になったのか?

検査で明らかにする事です。

検査と施術の比率

7:3  

8:2

くらいだと私個人は考えています。

一回で治したい気持ちは先生方にはあると思いますが、やり過ぎは悪化させる可能性もあります。

半分よくなれば良いと考える方が良いです。

検査で原因が明らかになれば次回予約もスムーズにとれます。

何よりも患者さんが原因がわかると安心してくれます。

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