胸郭出口症候群の鍼灸治療

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郭出口症候群(TOS:Thoracic Outlet Syndrome)の症例は意外と多いですよね。

腕神経叢の絞扼によってしびれや痛い、だるさ、冷感など。色々な症状が出てきます。

整形外科を受診していても、「骨には異常ないです。」

それだけしか言われていない患者さんもいます。

ライトテストやモーレーテストなどおこなっていない整形外科もあるようです。

胸郭出口症候群は斜角筋隙や肋鎖間隙、小胸筋下間隙という狭いトンネルが、不良姿勢や過剰な使用によって、より狭くなって腕神経叢に対する圧迫や牽引、摩擦といった機械的刺激が増強することで発症する。

斜角筋隙肋鎖間隙

斜角筋隙

前壁を前斜角筋、後壁を中斜角筋、底面を第一肋骨で囲まれている。

腕神経叢はこのトンネル(斜角筋隙)を外下方に向かい斜走する。

肋鎖間隙

肋鎖間隙の上面は鎖骨で構成され、底面は第一肋骨で構成される。

小胸筋下間隙

小胸筋が上面、烏口鎖骨靭帯が底面を構成する。

鍼灸治療でも十分対応できます。

使用する本数を極力少なくして、気胸などのリスクを避けて短期間で改善させていきましょう。

鍼灸師でも、「しびれ?あぁ首からだよ首から!」

相手が解剖学的知識が無いからと検査などせずに言う鍼灸師もいます。

これ良くないです。ぜったい良くないです。

間違ってはいないかもしれません。

しっかり検査した上で話ができるようにしてください。

もし、「患者さんが整形外科の先生だったら」そんな気持ちで臨床に挑んでいきましょう。

胸郭出口症候

胸郭出口症候群は姿勢的で2つに分類する

脈や舌などを診て東洋医学的な診断(ひ証など)として考えますか?

もちろん必要な考えですが、患者さんとの「説明と同意」できていますか?

現代医学的に説明できるものは東洋医学的に説明するより親切です。

そして、胸郭出口症候群には共通点があります。

  • 男性に多い肩がすくんだ状態。いかり肩
  • 女性に多いのがなで肩。

わたしは身体のバランスを3つに分類して検査するので前後のバランスでも診えてきます。

過去ブログ

鍼灸治療の共通言語を増やす。シンプルに身体を3つに分類しよう

いかり肩となで肩はかなり違いがありますが、両方とも胸郭出口症候群になります。

いかり肩の特徴 なぜ肩の特徴

鎖骨は挙上

鎖骨は下制
肩甲骨は上方回旋・内転位         肩甲骨は外転・下方回旋位            
胸椎は伸展位 胸椎は屈曲位
上位肋骨は挙上位 上位肋骨も下制
姿勢的に重力によって上肢や肩甲帯が下方に引き下げられる力に、頚部の筋肉が過剰に拮抗しているために生じています。  いかり肩が重力によって、上肢や肩甲帯が引き下げられる力に拮抗していると考えるなら、なで肩は重力に負け上肢や肩甲帯が下方に牽引されていると捉えることができます。

腕神経叢が絞扼されやすい状態になってしまいます。

上肢を挙上位に保持させると、症状が再現されやすい。

なで肩では、頚部の筋肉も発達しておらず、いかり肩と比較すると腕神経叢が絞扼されにくいように感じる。
しかし、臨床では胸郭出口症候群と診断される症例は、成年期の女性でなで肩であることが多い。

腕神経叢にも牽引力が加わり、絞扼されると考えられる。

このような症例では、鍼灸師が肩甲帯を内転、上方回旋位に保持したり、上肢をセラピストが保持したりすると症状が軽減する場合が多い。

肩甲骨の動き

胸郭出口症候群は腕神経叢に対して、いかり肩では圧迫力が強くなり、なで肩では牽引力が強くなり腕神経叢を絞扼してしまいます。

解剖学的な絞扼部位と不良姿勢が密接に関与しています。

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いかり肩では、頚部の筋緊張が増強し、斜角筋隙が狭小化することが問題

鍼灸治療の場合、斜角筋へのアプローチをおこない、斜角筋隙における腕神経叢への圧迫を軽減することが必要です。

鍼を使うなら天鼎穴だったり、扶突穴などですが、鎖骨に近ければ近いほど気胸のリスクが高まります。

天鼎

喉頭隆起の高さで胸鎖乳突筋前縁に扶突をとり、扶突の高さで胸鎖乳突筋後縁にそって下方1寸。

天鼎(別説、中国式)

甲状軟骨と胸鎖関節の中点の高さで、胸鎖乳突筋後縁から下方1寸。

扶突

喉頭隆起の外方3寸で下顎角の下方1寸

天鼎・扶突

粗暴な刺鍼の場合、内出血のリスクもあるので注意しましょう。

いかり肩=上肢が重力により、引き下げられる力に過剰に拮抗したため

筋肉の関係で考えると、僧帽筋(肩井など)へのアプローチも必要になる場合もあり。

僧帽筋(上部)も最初から使うのでは無く、拮抗している小胸筋・僧帽筋(下部)の緊張をとるだけで僧帽筋の緊張も取れてくる場合もあります

それで取れない場合は肩井を使用すると良いでしょう。

なで肩では鎖骨が下制し、肋鎖間隙が狭小化することが問題

鎖骨は下制し、肩甲骨は外転・下方回旋位なので、
肩甲骨を内転・上方回旋位に保持する僧帽筋の筋力トレーニングが必要になります。

肩甲骨の動き

筋力不足で肩甲骨を内転位に保持できず外転してしまうと、上肢の重量により、肩甲骨には下方回旋方向への力が加わるので、肩甲骨は外転・下方回旋(なで肩)になります。

肩甲骨を内転位に保持する菱形筋群の筋力トレーニングが必要です。

大小菱形筋

なで肩が長期間続いた人は、肩甲骨が下方回旋位になり、小胸筋の伸張性が低下して、過外転症候群の発症しやすい。

僧帽筋や菱形筋群の筋力トレーニングの前に鎖骨や肩甲骨の可動性の評価や小胸筋のストレッチも重要になります。

なで肩の人は筋力トレーニングが必要になるので、その説明はしっかりしておいてください。

筋力が無い

バランスを良い状態にする

筋力が無いので良い状態をキープできない

こういう図式が成り立つので定期的な治療と自己努力も必要になります。

当たり前ですが、鍼をしようが灸をしようが筋力は増加しません。

胸郭出口症候群の治療法

体のバランスをとるコトは絶対必要です。

そこは割愛しますが、肩周辺、首周辺での検査・治療法です。

コッヘル法に近い動きをおこない肩の可動を確認

施術中は仰向けでおこないます。

難しければ健側と比べるだけでも良いです。

健側と比べても特に制限が無ければ肩関節には問題無いと考えて良いでしょう。

肘関節、手関節の動きを確認。3つの動きにわけてみます

前後屈の動き・左右屈の動き・左右回旋の動き

腋窩から上部肋骨の状態を確認

肋骨1番2番付近の緊張や異常があればかなりの痛みを感じます。

取穴が必要な場合

後谿・外関・合谷(曲池)・列缺・内関・神門

から適時選択。

前述した天鼎、扶突に取穴するのも良いですが、安全性を優先してモーレーテストをおこないます。

モーレーテスト

鎖骨上窩で腕神経叢を圧迫します。

取穴と違い大きなメリットがあります。

  • 圧迫するポイントを鎖骨側にすれば手首など末梢にアプローチができます。
  • 頭部側にすれば肩や上腕にアプローチできます。
  • 頚部付近への刺鍼は怖さを感じる方もいるが、鍼を使わないので安心してもらえる。

しびれなどは肩こりなどと違い一回で治癒は難しいです。

しっかりと病状説明と治療プランを提示しなければいけません。

鍼灸は魔法でも手品でもありません。鍼をしたらなんでも治ると勘違いしている患者さんや施術者がいます。

説明をするのも立派な鍼灸の技術です。頑張りましょう。

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